文化財巡視に同行させていただいての報告
R.4.7.1 大橋 和義
⑥ 飯ノ木 源義朝遺跡 源氏橋 (史跡)
実に愛らしい石造の橋が養老町の津屋川に架かる。
源氏橋。名前からして何か厳かで由緒ありげである。
石造りの欄干の外側には源氏の家紋の「笹竜胆(ささりんどう)」、内側には「矢羽根」が彫られている。橋の由来は、約900年前までさかのぼる。1195(平治元)年、平治の乱で平清盛に敗れた源義朝は、関東へ落ち延びる途中、大垣の地で大炊兼遠(おおいかねとお)にかくまわれたが、さらに東を目指して尾張国内海の長田忠致(おさだただむね)を頼りに旅立つ。津屋川の細流は揖斐川を経て伊勢湾へ注ぐ。その際、主従五人が乗った柴船が船出したのが源氏橋が架かるこの地と伝わる。
現在の橋は1915(大正4)年に架橋された。
(令和4年6月28日 中日新聞 「ぎふ名橋ものがたり」より抜粋)